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話題のAIトレーナーの仕事を通じて見えてきた「子ども達が未来を生きるために必要な力」とは?

家庭学習

ChatGPTが一般家庭でも使えるようになり、日進月歩の「生成AI」時代が到来しています。

小2女子と小5男子を子育て中で必死の母ちゃんが、なんと「AIのトレーナー」という、いま話題の仕事を体験してきました。

大規模言語システム、いわゆるLLMというものを訓練する仕事です。

その現場で見えてきたAIの現在、そして未来とは?

私たちの子どもが大人になった時、AIによって激変する世の中で生きていくには、いったいどんな力が必要となるのでしょうか?

変化が多く、先の見えない未来を生き抜くために、子どもたちが今、身につけておくべき必要な力についてまとめました。

子育て家庭で感じるAIの進化のスピード

AI(人工知能)の進化は目を見張るスピードで進んでおり、私たちの生活や働き方に革命をもたらしています。

自動運転車やスマートスピーカー、さらにはAIによる医療診断まで、これまで人間が行っていた仕事をAIが担う時代が到来しつつあります。

子育て家庭でAIを使ってみてわかること

皆さんのご家庭では、毎日の子ども達との暮らしのなかで、AIを使っていますか?

うちの子ども達はこういう時に、よく使っています。

  • 親が忙しい時のしりとりの相手は、iPadのSiriやAmazonプライムビデオのアレクサ
  • 図鑑をひらけないタイミングで、今すぐ知りたいことはChatGPTに教えてもらう
  • 野球の試合結果を知りたいときなど、今日のニュースをSiriに聞いてみる

まず、注意点として、ChatGPTの回答には不確実性があるので100%鵜呑みにしてはいけません。
(でも、参考にはなります。)

「AIがいつも必ず正しい答えを答えてくれるか?」は、今のところ「No」と言わざるを得ません。
質問内容によっては、正しくない内容を答えることがあります。

また、ChatGPTに音声を読み上げてもらうことがありますが、日本語の読み方を間違っていることも多いです。

こうやって実際に使ってみると、まだまだ、AIが発展途上であることを実感することができます。

一方で、AIの驚くべき進化のスピードも、実際に使ってみないとわからないものです。

たとえば、少し前まで、読み上げてくれる音声の選択肢はたしか3つほどでしたが、今は9種類の音声から選べます。(2024年10月現在)

ちなみに2023年時点では、ChatGPT無料版では画像生成はできませんでした。
『モグラを描いて!』と依頼すると、無料版(左)と有料版(右)ではレスポンスにこんなに違いがありました。

2ちゃんねる?笑 のような絵を描いてくれました。

それが、今の2024年時点では、無料版でも画像生成が可能になりました。ただし、1日2枚の枚数制限があります。

(また、無料版で作成した画像の商用利用はできないといった制限もあるようなので、使用にあたってはご注意ください。)

他にも、日々新しい機能が追加されているので、うちの子も「こないだと画面が違う!」などその変化を敏感に感じ取っています。

AIの進化で感じる子ども達の未来への不安

このようなAIの進化を目の当たりにして、親としてこんな疑問を抱く方もいるでしょう。

  • AIがどんどん進化することで、子どもたちは将来どんな仕事に就けるのだろう
  • AIに仕事を奪われる時代に、子どもたちはどうやって生き残るのか
  • 逆にAIが作り出す新しいチャンスはあるのだろうか

想像を超える進化に、子ども達の行く末を案じるのも無理はありません。

だって、私たち親世代が子どもだった時、AIは「ドラえもん」の中だけでの夢の世界でしたよね。

正解のない問題ではありますが、具体的な例を交えて考えていきたいと思います。

AIに仕事を奪われる? 子どもたちの将来の仕事への影響とは

このイメージ画像も、ChatGPTが作ってくれました。
(まだ、画像内のテキスト生成はChatGPTの弱点ですので、そこはご愛嬌^^;)

AIの進化によって減っていく仕事

AIの進化によって、すでに多くの仕事が自動化されつつあります。

例えば、次のような職業は今後減少する可能性が高いと言われています。

  • レジ係やカスタマーサポート
    無人レジやチャットボットの導入で、AIが対応
  • 物流業界のドライバー
    自動運転車やドローン配送が広がる中で、人間のドライバーの需要が減少
  • 事務職
    ルーティン業務やデータ入力はAIによって自動化

これらはほんの一例です。

今後も人間が必要とされる仕事

AIがすべての仕事を奪うわけではありません。

実際には、AIによって補われることでより良いパフォーマンスが発揮できる、とされる職業も多く存在すると考えられます。

例えば、医師や教師の仕事は、AIが情報を提供してくれることで、より正確で迅速な判断を下すことができるようになります。

具体的には、医師がAIの助けを借りて診断を行う場面や、教師がAIを活用して個別指導を効率化するケースなどがあります。

また、AIが苦手とする「創造力」や「共感力」が必要な職業では、むしろ人間の価値が高まるでしょう。

未来を見すえて家庭教育で伸ばしたい力とは?

子どもたちが将来選ぶ職業において、求められる力とはなにか?

親としては、その答えを常に探りながら、家庭教育に活かすことが大切です。

そのために確実に言えることは、このふたつ。

  • 今までと同じ偏差値教育だけをしていてはダメ
  • AIを使うことを避けてはダメ

もう偏差値教育だけではダメな理由

偏差値教育は、一定の学力を身につけるためには必要です。

また、中学受験などを目指すにあたっては、「正解のある問題」を解ける力を養うことは、避けて通れないのが現状です。

その勉強のなかで、歯を食いしばって向き合うことで精神的な強さ・しなやかさ(レジリエンス)といったものも確実に養われるでしょう。

しかし、「正解のある問題」に対応する力は、AIがとっくに人間を抜かしているのもまた事実です。

「正解のない問題」に取り組める力が、将来、人間に残される仕事で力を発揮するために最も大事だと思いませんか?

AIを使うことを避けてはダメな理由

「お子さんにはまだ早い」と思って、AIツールをお子さんに使わせるのをためらっていませんか?

「ChatGPTで宿題なんかしちゃった日にはたまったもんじゃない」と思ってしまう、そのお気持ちも理解できます。

ただ、子どものうちから「AIネイティブ」でいることは、非常に重要なことだと考えます。

なぜなら、先ほど述べたように「AIに補ってもらうことによって活躍できる仕事」も増えてくるため、AIという存在を理解し使いこなせる力が必要になってくるからです。

「AIに使われる側になるのではなく、AIを使いこなす側」になるということ。

それには、

  • AIを使うことのメリット
  • AIを使うことのリスク

の両方を理解しておくことが大切です。

使うことを避けている人は、AIへの理解が深まらないので、将来使いこなせる側になるのはハードルが高いでしょう。

もし、お子さんがAIで宿題をやってしまった場合は、まずは、使いこなせたことを褒めてあげましょうね。

そのうえで、自分で勉強しなかったことのリスクも一緒に説明してあげるのが良いでしょう。

AIが解決してくれることって?親子で活用したいAIのメリット

AIが進化する中で、家庭生活でもその恩恵を受ける場面が増えています。
AIが私たちに与えるメリットを再確認してみましょう。

最大のメリットはタイムリッチ

親として、次のようなお悩みを持ったことはありませんか?

もっと家事の時間を減らして、子どもとの時間を増やせたらいいのに…

子どもにもっと効率的に勉強を教えられたらいいのに…

時間は有限。
子ども達と過ごせる時間はかけがえのないもの。
子どもの勉強時間と自由時間どちらも大切にしてあげたい。

こうした悩みを解決できるなら、AIをどんどん活用したいですね!

家庭に導入したいAIの例

例えば、以下のようなAIを家庭に導入することも、解決策のひとつです。

  • ChatGPT
    気軽に使える生成AIとして無料版でも価値あり
  • ロボット掃除機
    ルンバのような毎日の掃除を自動でこなしてくれる掃除機
  • AI搭載のベビーモニター
    赤ちゃんの動きを監視し、異常があればすぐに通知
  • AI学習アプリ
    子どもの成長段階や習熟度に合わせた個別指導を提供
    – 例えば、スタディサプリのようなお子さんの弱点を克服しながら理解度に合わせて学習を進めていける学習サービスもそのひとつ
    【公式】スタディサプリ小学講座

これにより、親はより多くの時間を子どもと過ごし、学習や遊びのサポートが可能になります。

一方、子ども達は、親とのコミュニケーションが増えて自己肯定感が高まります。
また、効率的に学習理解を深めることができます。

全員が同じ進度で学ぶ必要がなくなり、自分がすでに理解していることにムダな時間を使わなくていいですし、理解できていないところに重点を置くことができます。

AIの助けで家事や育児、学習の負担が軽減され、親子のコミュニケーションが増えるという恩恵が受けられます。

積極的に賢く、AIを家庭で活用していきたいですね!

「AIを訓練する仕事」の現場から見えたこと

AIを訓練する仕事とは?

冒頭でも触れましたが、わたくし母ちゃんは今年、話題のAIトレーナーデビューを経験しました。

そこでは、驚くほど属人的なやり方でAIへの訓練が行われています。

AIにより良い回答を学習させるためのあの手この手が、多数のトレーナーによる人海戦術で繰り広げられているのです。
(もちろん、完全リモートワークです)

AIは膨大なデータを基に学習して、進化します。
AIがより賢くなるためには、たとえば次のような役割の人間の手によって、気の遠くなる作業が行われています。

  • データアノテーター:AIに画像や音声データを正しく認識させるため、データにラベルをつけて教え込む
  • AIトレーナー:AIの判断ミスを修正し、適切な判断ができるように指導

ChatGPTなど数々のAIは日々進化を続けていますが、いまだ、その成長には人間が深く関与しているのです。

AIトレーニング現場での苦労

このAIトレーニング現場を目の当たりにして、私はカルチャーショックを受けました。

大量のAIトレーナー採用、AI開発会社からのプロジェクトの波、トレーニングシステムの日朝暮改・・・。

まだ新しいAIトレーニングの会社ですが、すべてが、ITシステムの中でオートメーションで進んでいきます。

AIトレーナーの採用は言語別に行われ

  • 英語の職務経歴書
  • 日本語でのライティング記事
  • 専門分野に関するトーキングビデオ

などの提出が必要で、合格するとトレーナーとして登録されます。

さらに、割り振られるタスクごとに選考がありますが、タスクの選考に落ちてしまった登録者には、なかなか次のタスクが回ってこないのです。

AIトレーニング会社だけに、ものすごくシステマチックというか。
一方で、切り捨て方が大雑把というか、アメリカらしいというか?

タスク選考に落ちた人には、そのことを明確には知らされないので

「どうして私にはタスク回ってこないんですか?アサインをお願いします。」

と、登録タスカー向けコミュニティサイトのなかで脱落した人があちこち叫ぶのです、涙。
(私も、いくつか落ちたタスクもあります。多分・・・。)

あなた、これ一本なの?他にも仕事持っとこうよ、みたいな気持ちにさせられますが、おそらく学生さんも多いのでしょうね。

日本語でのトレーニングですがAIの評価には英語を使うので、バイリンガルの学生さんがアルバイトしてるのかしら?と思います。

AIの奴隷にならないために

さらに、ほとんど全てのタスクが時間労働者的で、いつどれくらいタスクが降ってくるかがわからないという、運任せのような仕事環境。

この状況って、「あれ・・・? もうすでに人間はAIの奴隷になってるんじゃ?という、なんとも言えない気持ちになります。

母ちゃん的には「ネタになるから、しばらくやってみよう」という、AI開発の現場見たさ(怖いものみたさ?)で、もう少しこの副業を続けるつもりです。

親の立場としても、AIについて知らないより、知っていた方がいいですからね。

人間がくだすAIの評価基準

AIは、様々な指標でAIトレーナーによって評価をされます。
たとえば、人間の指示に従って出した回答の「指示にちゃんと従ってるか」「正確さ」「言語のクオリティ」「一貫性」「倫理性」などです。

言い換えれば、AIは、こういった点において、まだまだ発展途上だと言えます。

また、人間の指示がなければAIはなにも生み出しませんし、学習もできません。

しかし、将来的には「自律型AI」が登場するかもしれません。
これは、人間の指示を受けずに自己学習し、独自に判断を下すAIです。

「シンギュラリティ」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?
これは、AIが人間の知能を超える瞬間を指し、多くの専門家は2045年頃にその時が訪れると予測しています。

たったの、20年後にやってくるのです。

この時代には、AIがさらに進化し、自律型で高度な判断を行う未来が訪れるかもしれません。
例えば、次のようなシナリオが考えられます。

  • 自動運転車が道路状況を自ら判断し、安全なルートを選択
  • 医療現場でAIが診断データを解析し、新たな治療法を提案
  • AIが経営判断を自動的に行い、最適なビジネス戦略を構築

ただし、自律型AIがどれほど進化しても、人間による監督や倫理的な判断が必要です。

たとえば、AIが偏った判断をしないようにアルゴリズムをチェックする「AI倫理の専門家」のような役割は今後ますます重要になるでしょう。

AIが暴走するリスクを防ぐためには、人間がAIをコントロールし続けることが不可欠です。

すでに、新しい仕事が生まれているということですね。

親として子どもに伝えたい「AI時代に生き抜くための力」

私は、このAIトレーナーの経験によって、「子どもには未来を見通し、AIを使いこなせる人間になって欲しい」という思いが強くなりました。

AI時代を生き抜く鍵

親としては未来をどう受け入れ、子育てに生かすべきでしょうか?

AIに頼りすぎず、子どもたちが自分の考えを持ち、技術を使いこなす力を育てることが重要です。

未来のテクノロジーに対してオープンでありながらも、自分自身で考え、意思決定ができる力を育むことが、AI時代を生き抜くための鍵となります。

シンギュラリティの到来が現実となった時に、子どもたちがどのようなスキルを持ち、どのような役割を果たすかは、今の親の教育やサポート次第です。

改めて、AI時代において、子どもたちがどのようなスキルを身につけるべきか?
まとめてみましょう。

次のようなスキルは、AIに代替されにくく、今後ますます重要になると考えられています。

  • 創造力
    AIは過去のデータに基づいて動作しますが、新しいアイデアを生み出すことは得意ではありません。アーティストやデザイナー、クリエイターなど、独自の発想が求められる仕事は今後も人間が担うべき領域です。
  • コミュニケーション力
    AIは感情を持たず、人間同士の微妙なニュアンスを読み取ることができません。教育や医療など、共感や信頼が重要な職業では、AIが取って替わることが難しいでしょう。
  • 問題解決能力
    AIが提供するデータを基にしても、そのデータをどう解釈し、どのような行動を取るべきかは人間の判断に依存します。企業の経営戦略や社会的な問題解決には、本質を見極めるための思考力(クリティカルシンキング)が求められます。

では、わたしたち親は、日常生活の中でこれらのスキルを育てるために、どうすればいいのでしょうか?

具体的に家庭で取り組みたい教育

ひとつのアプローチは、子どもに自主的に考え、挑戦させる場をたくさん与えることです。

家庭で心がけること

例えば、家庭でのこうした小さな積み重ねが、将来の大きな力となるでしょう。

  • 自由な遊びの時間を持ったり、好奇心を刺激する経験をたくさんさせる。
  • コミュニケーション力を育むために、友達や家族との対話を大切にする。
  • 出る杭は打たず、個性的であることを尊重する。
  • 小さなことも「なぜ?どうして?」と問いかけて一緒に考える。

一足飛びにはいかないですし、学校任せにはできないので、家庭での関わり方が大変重要になります。

学んで身につけたいこと

次のような学びが、未来のキャリアに繋がる重要な一歩となります。

柔軟な思考を伸ばす学び

一つの正解に固執せず、複数の視点から問題を考える力を養います。
例えば、子どもたちが新しいアイデアを出し合い、チームで問題を解決するプロジェクト学習に参加させるような学びです。

テクノロジーに親しむ機会のある学び

AIやプログラミングに触れる経験を積ませることで、テクノロジーに対する恐れや抵抗感をなくし、使いこなす力を育てる。プログラミングスクールや、家での簡単なロボット製作キットなどを使って、楽しみながら学べる場を提供するのも一つの方法です。

自主性と責任感を育てる学び

AIが多くの意思決定をサポートしてくれる時代でも、人間自身が持つ責任感と判断力は重要です。日常生活で、子どもに自分で選択する機会を与え、その結果に責任を持つことを教えることが、将来の力となります。

まとめ

AI時代が進む中で、私たちの生活や仕事はますます変化を遂げていきます。

しかし、AIは単なる脅威ではなく、子どもたちの未来を支える存在でもあります。

重要なのは、AIが奪う仕事に対して不安を抱くのではなく、AIが生み出す新しいチャンスに目を向けることです。

親としては、子どもたちがAIに代替されにくいスキルを身につけ、将来に向けて自信を持って進んでいけるよう、サポートすることが求められます。

この記事のポイントを振り返ると、

  • AIに代替されない創造力や共感力、問題解決能力を養うこと
  • 柔軟な思考を持ち、テクノロジーに親しむ環境を整えること
  • AIとの共存を視野に入れた教育や学びの場を提供すること

このような取り組みが、子どもたちの未来を輝かしいものにする大きな助けとなります。

AIは脅威ではなく、子どもたちが新たな夢を追い求めるためのパートナーとして、成長を支えてくれる存在です。

私たち親は、子どもが興味を持つ分野を尊重し、AI時代に必要なスキルをサポートすることが大切です。

未来の職業に向けて、今から子どもたちが準備を始められるよう、創造力や問題解決能力を育む場を提供しましょう!

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